奇跡事【完結】
「意味深な言い方をするな。お前は本当に意地が悪い」
「え?何か理由があるかもよ?」
「あー、わかったわかった。悪いな。こいつはからかうのが好きなんだ」
「女の子はからかわないよ?」
「黙れ」
「うひゃー。カタラって本当に怖い怖い」
「ちっ。切れるモノなら切ってやりたい」
「いくら治せるといってもね、ちゃんと痛いんだからそれは勘弁してよ」
「ほう?」
「カタラこそ、いい趣味してる」
「生憎、根が捻くれてるのでな」
「知ってる」
ケラケラと笑うパチフィスタに、カタラは盛大に溜め息をついた。
その顔には微かに疲労がうかがえた。
森の中を歩いてる時はピンピンしてたのに。
確かに、この人と話してると核心に迫ろうにも、のらりくらりとかわされそうで骨が折れそうだ。