奇跡事【完結】
「どうしたの?何か聞きたい事でもあった?」
頬づえをつくと彼がそう尋ねてきた。
さも、愉快そうに。
僕は顔を俯かせながら、独白するように呟いた。
「……真実を知りたいんだ」
「真実?」
「僕達は何から隠されていたのか、なんで何も知らされていなかったのか。
それに、サーティスについても知りたいし、エレノアの事も知りたい」
「ふうん。別に二人がいる前でもよかったんじゃない?」
「……もし、知らなくてもいい事なら知って欲しくないから」
「へえ。一人で背負っちゃうみたいな感じ?
僕、そういうの嫌いじゃないな」
そうパチフィスタに言われて、顔を上げる。
相変わらず、何を考えているかわからない笑顔だ。