奇跡事【完結】


「彼はね、もう数百年もの間。死にたいのに生きてるんだ。
不死身って憧れる人もいて聞こえはいいけど、ただの呪いだよ。一生消えない……ね」

「……」

「まだ聞きたい事たくさんあるだろうけど、もう帰って来るみたい」

「え」


そう、声を漏らした瞬間。
僕の目の前に三人が現れた。

瞬きしていたら、見逃していただろう。


本当に、突然僕の目の前に現れたんだ。



「うぅ、慣れない…」


サーシャは少し頭を押さえると、キョウの腕を掴んでいる。


「大丈夫?」

「うん、ありがとう。キョウ」


キョウがサーシャをベッドへと座らせ、手から荷物を受け取る。
それからキョウは僕の前へとやってきた。


「ルーイ、これ。適当に選んだから美味しいかわからないけど」

「うん、ありがとう」

「俺こっち。美味しかったら交換したりしよ」

「うん」


僕の隣に座るキョウ。
サーシャはちょっとだけ横になるみたいだ。
< 76 / 446 >

この作品をシェア

pagetop