奇跡事【完結】
「彼はね、もう数百年もの間。死にたいのに生きてるんだ。
不死身って憧れる人もいて聞こえはいいけど、ただの呪いだよ。一生消えない……ね」
「……」
「まだ聞きたい事たくさんあるだろうけど、もう帰って来るみたい」
「え」
そう、声を漏らした瞬間。
僕の目の前に三人が現れた。
瞬きしていたら、見逃していただろう。
本当に、突然僕の目の前に現れたんだ。
「うぅ、慣れない…」
サーシャは少し頭を押さえると、キョウの腕を掴んでいる。
「大丈夫?」
「うん、ありがとう。キョウ」
キョウがサーシャをベッドへと座らせ、手から荷物を受け取る。
それからキョウは僕の前へとやってきた。
「ルーイ、これ。適当に選んだから美味しいかわからないけど」
「うん、ありがとう」
「俺こっち。美味しかったら交換したりしよ」
「うん」
僕の隣に座るキョウ。
サーシャはちょっとだけ横になるみたいだ。