奇跡事【完結】
「いただきまーす」
「いただきます」
僕とキョウはそう言うと、サンドウィッチと呼ばれるモノを口に含む。
シャキシャキとしたレタスの歯応えと、みずみずしいトマトと、挟んであるパンがとても合っていて美味しい。
「ん。これ美味しい」
「こっちも」
キョウがそう言って手渡すのは、ハムとレタスが挟んであるサンドウィッチだ。
お互い食べ合っていると、サーシャがムクっと起き上がる。
それからこっちを向いて、
「私も食べる」
と言って近寄ってきた。
「あはは。サーシャって食べ物に弱いよね、本当に」
僕がそう言った時だ。
「サーシャ?」
パチフィスタがぴくりと眉を動かしながら、僕を見る。
訝しげな顔でサーシャに視線を移す。
「……サーシャ、というのか?」
「そうだけど……」
「サーシャだと何か問題あるのか?」
カタラがパチフィスタにそう尋ねるが、彼は何やら思案顔で口を噤んでいる。
一気にピンっと空気が張り詰めた。
誰もが固唾を呑んで、パチフィスタの言動を待つ。
だけど。