奇跡事【完結】
「……どうした?ルーイ」
目を擦りながらキョウが起き上がる。
僕は動揺を気付かれない様に、笑顔を作った。
「起こしちゃった?ごめん。ちょっと喉が渇いちゃって」
「ああ、飲み物ならそこに」
そう言ってキョウが飲み物が入った筒を取ってくれる。
僕はそれを手にすると、ゴクゴクと思いっ切り喉の奥へと流し込んだ。
「余程、喉が渇いてたんだな」
苦笑するキョウに、僕も曖昧に笑った。
「ほら、また寝ないと明日もしんどいぞ」
「うん」
キョウに続いて僕は布団に潜り込むと、目を閉じて今度こそ眠りに就いた。
翌日、僕はサーシャに叩き起こされて目を覚ました。
「……さ、しゃ」
「ルーイ、おっはよー!起きてーーー」
「……まだ眠い」
「ルーーーーイ!!!!」
「サーシャ、うるさい」
「何を!?」
「僕に任せて」
プリプリと怒るサーシャの言葉を遮ると、パチフィスタが指をパチンと弾いた。
と、同時にベッドが一瞬で消え去って僕は思いっ切り顔を床に強打した。