夏とおじさんとアイスクリーム
僕は、日曜日キイチにアイスクリームを冷やしてタッパに入れて持って行ってやろうと思った。
僕は、自分自身のアイスクリームを食べるようになってというか仕方なく吸ってるのだが、身体の調子が良くなっていた。
キイチが食べても害は、無いはずだと思った。
しかし、一応日曜日まで時間があった為に誰かキイチと僕以外の人間にアイスクリームを食べて貰おうと考えた。
候補を色々考えた挙句に仕事で付き合いのあるゴシップ雑誌の編集者にしようと思った。
身体は、健康そうな若い男だったし明日打ち合わせで会う事になっていたからちょうど良かった。
僕は、仕事を終わらせるとバケツに溜まったアイスクリームをタッパに小分けにして入れそのまま冷凍室にしまった。
次の日に打ち合わせでゴシップ記事雑誌の若い男に会った。
僕は、指をしゃぶりながら三つのタッパに入れたアイスクリームを出し、これは、知り合いの田舎で作っている限定手作りアイスクリームだと嘘をつき若い男にアイスクリームをあげた。
ゴシップ雑誌の若い男は、指をしゃぶり続ける僕を少し不審気に見たがアイスクリームは、大好きだと言って持って帰った。
限定とか手作りに弱いタイプだなと僕は、思った。
アパートに帰り仕事をしていると携帯が鳴った。
ゴシップ雑誌の若い男からだった。
「いやぁ、あのアイスクリームですが美味いですね。
実は、それほどアイスクリームって好きじゃかったんですがあれは、初めて食べた洒落にならないくらい美味いですね。
また手に入ったらお金出しますからぜひとも教えて下さい。
家の女房も子供も大喜びでした。
ありがとうございます。」
僕は、ゴシップ雑誌の若い男に女房子供が居るのを初めて聞いたが、珍しい物で癖が多少あるからもしも何かあったら教えてくれないかなと言った。