夏とおじさんとアイスクリーム
十年後
僕は、学校が終わるとしつこく誘う友達を振り切って暑い日差しの中を急ぎ足で歩いた。
今日は夏休み中にある登校日だった。
クラスメイトは、皆日に焼けて女の子達も何だか少し見ない間に色気がでてるような気がした。
僕の好きなナツミちゃんも何だか更に色気を増したようで僕は、ドキドキした。
キイチ~夏休みどっかに言ったと聞かれたから家族で海に行ったよと答えてナツミちゃんアイスクリーム好きかなと思い切って聞いてみた。
ナツミちゃんは、大好きだよと答えたので今度信じられないくらい美味しいアイスクリームを食べに行こうと言った。
ナツミちゃんは、いいね~と中学三年とは、思えない色気のある声で答えた。
おじさんの理論によると色気があるって事は、人妻か彼氏がいるんだよとの事だったがおじさんの女性理論は、大抵あてにならなかったから僕は、気にしてなかった。
急ぎ足で道を歩いていると色々な事が夏の太陽が暑すぎるせいか思い出された。
おじさんは、あの後も僕と二ヶ月に一回くらいの割り合いで会ってくれた。
血縁関係恐怖症は、治って無いと言い続け僕と二人で会い、遊びアイスクリームを必ず食べさせてくれた。
おじさんのアイスクリームは、年が経つにつれ更に美味しくなって行ったしおじさんも何だか健康そうで若々しくなっているように思えた。
おじさんは、血縁関係の場所には、たまにしか顔を出さなかったし直ぐに帰ったが皆だんだんそれが当たり前だと思うようになっていった。
僕が大きくなるにつれおじさんと会うペースは、多少落ちたがおじさんは、僕の誕生日には、僕が頼んだ物を買って家に送ってくれた。
贈り物の箱には必ず僕の子供の時の丸顔の似顔絵とおじさんの似顔絵が描かれていた。
おじさんは、雑文書きの仕事で貯めた資金を元手にアイスクリーム屋をやる事を僕に話してくれた。