夏とおじさんとアイスクリーム
それが二年前の夏で今日がいよいよ開店の日だった。
おじさんは、人目にあまり付かない場所の民家を買い取り自分も手伝いながら業者と改装をして小さなお店を持った。
おじさんがこだわったのが一人か二人で出来る小さなお店だった。
おじさんの秘密は、まだ僕しか知っていなかった。
おじさんは、女の子と付き合っては、別れてを繰り返していた。
やはり、アイスクリームが小指から出るのが気になるのかと思ったら多少違った。
おじさんが言うには、小指からアイスクリームが出るようになってしばらくすると、とてもモテるようになったらしく寄ってくる女性が沢山居る為にわざわざリスクを負ってまでアイスクリームの事を言う必要は、無いとの事だった。
鼻からジュースでも出る女に出会ったら教えてもいいかなと笑った。
おじさんは、もう五十歳を超えていたので少しは、落ち着いて欲しかったが本人が楽しんでるようなのでまぁ、いいかと思った。
しかし、おじさんは、五十を超えてるように見えず三十代くらいに見えた。
僕の父親は、おじさんよりも七つ年下のまだ四十代だったがおじさんより確実に老けて見えた。
母親もたまにおじさんと会うとびっくりしていた。
狭い路地に入るとおじさんのお店が見えて来た。
民家を改造した小さな白いお店の看板店名が、こう書かれてていた。