初恋 ~幼馴染みへの恋~
作戦 ~side. 渓斗~
さっきまで、??でいっぱいやった流樹の顔つきが変わった。
「流樹~?」
俺は流樹に声をかける。
「渓斗、悪いけど、悠は渡されへん。
俺も告白さしてもらうわ。」
流樹が言った。
「そっかぁ~…
まぁ、結果は悠ちゃんが出すことやし?」
俺が言った。
流樹は「せやな。」と返す。
「ぁ~…でもあんまし、勝てる気、せぇへんわ…。
俺、勉強でもスポーツでも、女でも、流樹に勝てたことあらへんもん。」
俺が言った
「そんなことあらへんで?」
流樹が言う。
本間やで。
勉強かて、スポーツかて、流樹には勝たれへんかってん。
まさか、初めて好きなった子ぉまで取られるとはなぁ…
流樹、頑張りや。
俺はもう、この勝負、負けてもうたから。
『悠ちゃん、俺、悠ちゃんの事、好きやねん。付き合って?』
俺は勇気を振り絞って言った
そしたら、悠ちゃんは俯いて『ごめんね…私…柳くんとは付き合えない…』って言った。
知ってたで。そんなん。
これは諦めるための告白やねん。
『そっか、聞いてくれてありがとうな。
あと、これからも友達として仲良くしてや?』
って笑っていった。
知ってても、失恋って辛いなぁ…。
悠ちゃんは『ありがとう。』って言った。
あぁ、この子、本間にモテるんやな…。
その『ありがとう。』は俺に対しての『ごめん』と『そう言ってくれてありがとう。』って意味なんやろ?