初恋 ~幼馴染みへの恋~

俺は心の中で『ありがとう。』と言った。


俺の初恋は実らへんけど、ええよ。


やって、よぉ言うやろ?

『初恋は実らへん』って。


『柳くん、私の事、好きになってくれてありがとう。

私は、柳くんの気持ちには応えられないけど…

でも、きっと、柳くんはいい人だから誰かが好きになってくれるよ。』

って言った。


そんなん言われたら、この『好き』って気持ち、消されへんやん。


でも…ええや。


俺も、悠ちゃんを好きになって良かったって思うから、例え、実らへんかった恋でもこの気持ちを持っておこう。って思えるねん。


ありがとう。



だから、せめて。


『あ、あと、友達なんやから『渓斗』って呼んでや?』

俺の最後のワガママ、聴いて?


『うん。分かった。』って笑ってくれた。



流樹、頑張りや?

本間に、心から応援するから。


俺等以外、誰もいない生徒会室で、俺は流樹に告白させる作戦を実行した。






☆渓斗side. 終了☆



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