初恋 ~幼馴染みへの恋~

「悠~?帰ろ~?」

流樹くんが言った


「うん。」

スクールバッグを肩にかけた。

瞬間、強烈な痛みが肩を走る


痛みの原因は毎日のように振るわれる暴力。


私の体はアザだらけで、それが痛む。



「悠…?どしたん?」


流樹くんが心配そうに私の顔を覗き込む


「ううん。なんでもないよ?」

私は心配されないように明るい声で言った。


「なら…えーけど…」


「じゃあ帰ろっか」


「せやな。」

いつもの通学路を二人で話ながら歩く。

話しているのは特に意味もない他愛もない話。


でも、この時間が私は好き。


好きな人と一緒に居られるこの時間が大好きなの。


居心地がよくて…。

どれだけ寒い季節でも心が暖まるの。




< 35 / 128 >

この作品をシェア

pagetop