初恋 ~幼馴染みへの恋~
「…流樹くん…?」
長く、深い沈黙を破ったのは悠だった
「ごめん…俺、迷惑やったよな…。
俺のせいで悠が怪我したんやもんな…ごめん…」
俺は、そうとしか言えなかった。
「違うよ?
流樹くんのせいなんかじゃない。
私…もともと、どちらか言うと嫌われてたし…。」
悠がそう言った。
心が何故か暖まる。
俺は、心の底で、この言葉待ってたんかもな…。
「本間に…? 無理してへん?」
「うん。本当だよ。
それに…私、流樹くん来てから毎日が楽しいもん。
迷惑なわけ、ないでしょ?」
と、言って悠が微笑んだ。
『流樹くん来てから毎日が楽しいもん。』
悠、そんな言葉、言わんといてや…。
期待、してまうやろ…
今すぐにでも、10年間、無理矢理押し込めてきた悠への想いを言いたくなるやろ…
悠、俺の事、好きなってや…。
好きって言ってや…。
夕日に照らされた悠の横顔は絵画のように綺麗に見えた