初恋 ~幼馴染みへの恋~
『お母さん、今日もお仕事~?』
寝起きで眠い目を擦りながら珍しく家に居るお母さんに話しかけた
『えぇ、悠、いつも一人で寂しいよね…ごめんね?』
お母さんが凄く悲しそうな顔をした
『ううん!大丈夫だよ!
私には流樹くんだって居るもん!』
ホントは寂しいけど、私はわざと強がった
お母さんに悲しい顔はしてほしくないから。
『そう…悠は強いのね。
お母さんとお父さん、今日も遅くなるから流樹くんのお家に泊まってね?
迷惑かけちゃダメよ?』
『分かってるよ♪』
この頃、私はまだ三歳でホントなら、お母さんの事をママと呼んでいてもおかしくない年齢だった。
『そう…じゃあお母さん行ってくるわね。
イイコにしてるのよ?』
『はーい!
いってらっしゃーい♪』
『ふふ…いってきます。』
そう言ってお母さんが私に小さく手を振って家を出ていった
この頃から、私は幼稚園に毎日、迎えに来てくれるお母さんや、お父さん、町で歩いていてすれ違う家族連れを見かける度に、それを心の底で羨ましがってたんだ…。
チュンチュン…。
鳥のさえずりが聞こえる
朝か…そう思って瞼をゆっくりと上げた
あれ?なんか体重たい…
そう思って隣を見ると、幸せそうにスヤスヤ眠る流樹くんが居た。