初恋 ~幼馴染みへの恋~
『ままー!』
俺が幼稚園に迎えに来た母さんに走って近づいた
『流樹、いい子にしてた?』
母さんが俺のあたまを撫でる
『うん!』
『じゃあ帰ろっか。』
『うん。』
『悠ちゃんは?ママ達まだなの?』
母さんが部屋の端で座ってる悠に言った
『まだ…』
そう言う悠の表情は今にも泣き出しそうやった。
『一緒に帰る?』
『いい。』
母さんの誘いを悠は俺に遠慮して断った
悠にとって家族と一緒にいれる時間は1週間に一回、あるかどうかぐらいやった。
せやからこそ、悠は俺と家族との時間に入ってこようとしなかった。
『でも、閉園まであと10分しかないよ?』
『来なかったら一人で帰る。』
悠はよく、幼稚園から一人で帰ってた。
そんな姿を周りの人達は哀れみの目で見た。
だから母さんは悠の事を余計、自分の子のように接したんやろう。
今思えば悠は俺と、俺の家族ぐらいにしかなつかへんかったなぁ…