初恋 ~幼馴染みへの恋~


普通、幼稚園の頃は皆、寂しかったら寂しいって言って親に甘えるもんやけど、悠はいっつも我慢してた。


どんだけ寂しいって思っても『忙しいんやからしょうがない』って言い聞かせてたよな…。


たまに、どうしても我慢出来ひんくて部屋で親からもらった唯一の縫いぐるみ抱き締めて泣いてたよな…

寂しいって…。


今でも、テレビや雑誌でおばさん見ては寂しそうな目で見てるよな…。


そんな風に育ってきたせいか、悠は甘えるのが苦手やねんよな…。


甘えたってええねんで?



悠、知ってる?


寝てる時、泣いてること。



悠はちっこい頃から誰よりも優しくて、でも肝心なとこ不器用やねんよな…。



チュンチュン…


俺は眠い目をゆっくりと開いた


懐かしい夢見たなぁ…。


「ん…?

ってなんで流樹くん!?」


「そんなビックリせんでもええやん。

悠が引き留めたんやから。」


「???」


覚えてるわけないやん(笑)


悠には秘密やな。



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