大切なもの
空港ではここで出来た友達やクラスメイトなんかが俺らを見送りに来てくれて、みんなに見送られて名残惜しいままアメリカを立った。
飛行機の中ではずっと、皐月とあっちでの思い出なんかを延々と話してた。
――そして、日本に着く空港では母さん、親父と高校でのツレ数名と――綾香が居た。
そして何故か、綾香の隣にいる筈の男、正人がその場に居なかった。
綾香を見ると、やっぱり4ヶ月前とは変わっていた。肩より下まであった髪はさらに伸びていて、顔つきも。どこか大人っぽくなったような気がする。――まぁ、ただの俺の気のせいかもしれないけど。
俺の隣にいた皐月は、自分の家族の元へ行ってしまった。
「空也っ!あんた相変わらず格好良いじゃないの!!」
綾香の実の母親――俺の今の母さんは美人。美人だけど口を開けばその顔立ちの良さも半減すると思う。とにかくうるさい。けど人懐っこくてすごく気の良い人だ。
親父もそんなこの人だからこそ再婚を決めたのかもしれない。