愛しい背中【密フェチ】
愛しい背中
明日の雨を予知するかのように、外は湿気で蒸していた。
つい十分ほど前まで、いつもの男女四人で騒がしく飲んでいたのに、今は前を歩く男友達と二人きり。
一緒にいた友達二人が付き合いだしたのだ。
傍から見ていて、もしかしたら……と思うことはあったけど、まさか想いが通じ合っていたとは思わなかった。
「ビックリしたね」
夜とはいえ、夏は歩いているだけでも額に汗がにじむ。
私は片手で仰ぎながら、前を歩く彼に話しかけた。
「あの二人、仲良かったもんな」
「……うん」
彼の明るい声に返事をしながら、私の意識は彼の背中に集中していた。
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