友の姿、午後6時【短編】
中学3年になるまでの間、告白は何回かされたみたいだけど全て断っていた。
周りの友達は最初は冷かしていたけど、本当に恋愛に興味無いのを判ったのか、宮野が告白されても徐々に何も云わなくなった。
…それでも継続されるモテ具合に、涙目で羨ましがってる友達は居たけど。
まあ宮野も男だし高校生になれば女子に興味も出るようになるんじゃないか、みたいな話もあいつがトイレや休みで居ない時に話していた俺を含む数人の仲間達。
そんなある日の夜、宮野から電話が掛かってきた。
「もしもし、宮野?」
『好きかもしれない』
「は?」
電話越しに聞こえた第一声に、俺は血の気が引いた気がした。