lover




相当無理をさせていたのだろう。
茉咲はベットでぐっすりと寝ている。



結局、熱を測ってみると、38度近い熱が有って、学校を休ませた。
―――そして、俺も。



1年ぶりに昨日学校に行って、もう、今日休むって変だよな。
でも、何時も頑張ってくれてた妹のためだから1日くらいどうって事無い。




「ごめん……ね…じゅ、ん……庵……」



寝言か、それとも起きていたのか判らないが、そんな声が辛そうな茉咲から聞こえてきた。



「―――っ」



何で、謝るんだよ。
お前は、悪くないだろ?



俺の目からは、自然と涙がこぼれ落ちて来て……
俺には、ただ、すやすやと眠る妹の頭を撫でてやる事しか出来なかった。



< 21 / 60 >

この作品をシェア

pagetop