lover





「いってきます」



なんだか、こんなにも一日一日が重たいと感じたのは初めてだ。

もしかしたら、萌子さん達に会える日数も少ないのかもしれない……。



いつもの電車に乗り込み、空いていた席に座ってスクールバックの中に入っていた本を取り出した。
お気に入りのブックカバーがしてある本の題名は『最高の恋のはじめ方』

そう言えばこの本まだ一度も読んだ事無かったなあ……。



そう思い、1ページ目を開いた。
その1ページ目には、大きくこう書いてあった。


『恋は、突然訪れる』



次のページをめくると、



『知らない間に、好きになっている』



その次のページには、



『胸が痛いのは―――好きだから』




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