lover




「―――っ!」



そうだ、昨日ずっと痛かった。
柳瀬君が萌子さんを追いかけた時も。

それは、私が柳瀬君の事を想っていたから……?



……って、それは無い。
だって、私は萌子さんと柳瀬君の恋を応援している側なんだから。



ナイナイナイ。絶対。



バカバカしくなって、私は本を閉じ、ブックカバーをとった。



「本屋さん、寄って帰ろう。」

「俺も、付いてっていーか?」

「え……」



隣を見てみると、いつの間にか柳瀬君が座っていた。



「お、おはようございます」

「おはよ。……で、良い訳?」

「何がですか?」

「本屋」

「萌子さんもですか?」



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