天の神様の言う通り、ここは素晴らしい学園ですっ
「で、」乙は椅子に腰掛けたまま、魚尾を見下ろした。巨大な本殿の中央、朱色の階段の上段にある玉座は豪華な黄金色だ。多くの半魚人や鮫に警戒するように囲われた魚尾はへにゃりと笑ったまま数メートル先の乙を見上げた。
「何でここに来たのよ」
胡乱な眼を向け、乙は眉根を寄せる。
「単刀直入に言うとね、姫にい、外のひろーい世界に来てもらおうと思ってねえ」水中に、波紋が広がった。周囲にいた魚達が口々に音を立てる。広い宮殿を動揺が支配した。
「お主は阿呆か!姫を下界に遣るだと!」
「不躾な!」
「この下界魚如きが姫に何を」
「発言を慎め下衆が」
「先代の慈悲で此処におれることを忘却するでない!」