天の神様の言う通り、ここは素晴らしい学園ですっ




「アルベルトさん、早くお家に帰ってください。この季節なんですし、夜遅くに学園長先生を一人にするのは、危ないです」

「ぼくは、つよいよ。いっぱんじんにはまけない」

「駄々をこねないでください」他人に変な色目を使われたらたまったもんじゃない、とは口が裂けても言えない愛は、アルベルトを説得しようと試みる。

「いやーだ。かえらない。さむい。ねむい」

赤い鼻先が、彼を犬の様に思わせた。犬だとすれば大型の柴犬だろうか。ばうばうと、今日はよく吠える犬だ。

「ねむい」

アルベルトはむすり、とそう言うと、寝室の愛のベッドに、スーツのまま倒れ込んだ。愛が制止の声を掛けるが、彼はベッドに沈み込んだまま微動だにしない。そうして、深い眠りに落ちたアルベルトを、困惑しながらも、愛は優しい目で眺めていた。


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