天の神様の言う通り、ここは素晴らしい学園ですっ
「ご、ごめん」
昼頃である。アルベルトは、リビングのソファーの左端に、体育座りをして膝に顔を埋めていた。ずーん、という言葉が彼の頭上に見えてくる程に、彼は落ち込んでいた。起床して、風呂に入った彼は草臥れた昨日のスーツを着ている。愛としては珍しくアルベルトの色んな表情を見られるので、寧ろありがたかったりするのだけれど。
「僕は最低だ。自分の生徒の部屋に不法侵入して、且つ、ベッドで眠ってしまうなんて。最低だ。最低すぎる。もう、どうしよう。ごめんなさい」
いつもは整えられている髪に寝癖が付いているのも、ネガティブ思考全開なのも、もふもふの柴犬にしか彼が見えないのも、彼女の心を暖かくする。昨日の夜の出来事は、サンタさんの少し早いクリスマスプレゼントだったのかもしれない。そう錯覚するくらいには、愛は幸福を噛み締めていた。
「もう、どんなお詫びをしようか。何であんなことをしたんだ。僕はなんて男だ。最低だ」
「ああ。あの、それなら、一つだけお願いしてもいいですか?」愛は妙案を思い付いて、にこりと笑った。