釘バットと秘密のラブコール
よ
「それにしても、体育館のドアとか壊して大丈夫なのか?」
窓ガラス1枚割るのとは違って、シャレにならない値段だと思うんだけど。
けれど蜜は胸を張って、くるりと一回転してみせた。
短いスカートがひらりと舞うけれど、下に履いているのがジャージなので色気のひとつも感じない。
「おぅよ!強い見方がついてっから心配すんな!」
「強い味方…?」
首を傾げる俺を放って、彼女がうれしそうに笑いながら俺の背後に向かって手を振る。
「おっちゃん、ありがとー!」
振り返ると今朝会った用務員のおじさんがごみ袋を引きずって、微笑みながら立っていた。