釘バットと秘密のラブコール


土臭いウサギ小屋の前。

目の前にいるのは、釘バットを持った奇天烈な格好の女子高生。


そんなムードのない状況を差し引いたって胸が高鳴るのはなんでだ。

俺の美しい顔は真っ赤になっていないだろうか。

頭の片隅でそんなことを考えているうちに、彼女が次の言葉を紡ぎだす。



「勝負しろ、要!!」

「……っ、は……?」

それしか言えないだろ。

なんでそうなったお前、なんで、なんでそうなった…!


「お前をとことんぶちのめすために、毎日ここで素振りして特訓してたんだ」

「え、お前、ウサギを野犬から守って…」

「だからー、それはおっちゃんが勝手に勘違いしてるだけだって」

なんだ、なんだよおっさん。



話が違うじゃねぇかよおいいいいいいいいいい!!!


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