釘バットと秘密のラブコール
「…知らねぇの?女子ほど汚ねぇ生き物はねぇよ」
腹黒くて、言ってることはめちゃくちゃなのに。
一瞬こいつをカッコイイとか思った俺って何なんだよ!!
「“男は利用しなくっちゃねー”」
蜜の声が急にいつもの三割増し高くなる。
「“えー、付き合わないよぉ。その前にいろいろ奢ってもらうつもりではあるけどぉ”」
困惑している俺に向かって、もう一度。
「“あの人も優しかったけどぉ。男なんて所詮は顔で決まるよねぇ”」
いきなり眼前に迫ってきた、彼女の唇が。
「全部お前の大好きな“カワイイ女子”が言ってるセリフだよ、バーカ」
次の瞬間、視界がぐんっと高くなって――。