釘バットと秘密のラブコール
大体、なんで俺はいつも蜜とセットにされてるんだろう。
蜜には言ってないけど、同じようなことを言われたのは今回だけじゃない。
おっさん女子とイケメン男子のセットは世にも珍しく、結構な名物になっているらしい。
迷惑な話だ。
ため息をついていると、見知らぬおじさんがこちらに手を振ってきた。
なんだ、新手の不審者か?
俺の美貌はなかなか罪だな、おじさんまで惹きつけてしまうなんて…。
「おー、用務員のおっちゃん!」
と思っていたら横で蜜が手を振り返していて、初めてあのおじさんが用務員の人だったと気付く。
「…お前のことだから自分目当ての不審者とでも思ったんだろ、バカ」
小声でボソッと呟かれて、しかもそれが図星だったものだから二の句が継げない。