釘バットと秘密のラブコール


大体、なんで俺はいつも蜜とセットにされてるんだろう。

蜜には言ってないけど、同じようなことを言われたのは今回だけじゃない。


おっさん女子とイケメン男子のセットは世にも珍しく、結構な名物になっているらしい。
迷惑な話だ。


ため息をついていると、見知らぬおじさんがこちらに手を振ってきた。

なんだ、新手の不審者か?

俺の美貌はなかなか罪だな、おじさんまで惹きつけてしまうなんて…。

「おー、用務員のおっちゃん!」

と思っていたら横で蜜が手を振り返していて、初めてあのおじさんが用務員の人だったと気付く。


「…お前のことだから自分目当ての不審者とでも思ったんだろ、バカ」

小声でボソッと呟かれて、しかもそれが図星だったものだから二の句が継げない。


< 8 / 24 >

この作品をシェア

pagetop