釘バットと秘密のラブコール
て
苦い顔をしている間に蜜は大股で去って行ってしまった。
後には、せっかくのイケメンを台無しにしてしまうような変顔をした俺だけが残された。
「…っやべ、授業!」
ていうかアイツ、教室とは反対方向に行かなかったか。
授業どうするつもりだ、授業。
間一髪教室に入ろうとすると、見知らぬ先輩が立っていた。
上履きの色が俺たちとは違うし大人びた雰囲気だから、三年生だろう。
素通りしようとすると、がしっと肩を掴まれた。
「西城要ってお前だろ?」