私の隣
その日の夜。


私はまだ目が覚めない譲の横で窓から星を眺めていた。



「どうか早く譲ともう1人の男性の目が覚めますように…。」


そう口にしたとき握っていた譲の指が少し動いた気がした。


私は慌てて譲の名前を呼ぶ。



「…う…い…ちゃん……?」


……。


今なんていった…?



「譲…?」


「憂ちゃんだよね…?」


譲の目が覚めた……


嬉しいはずなのに泣きたいくらい嬉しいはずなのに…。


私は嫌な予感がしてならなかった。


『憂ちゃん』って呼ばれたことに。

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