私の隣
『誰』か気付いてても名前が出ない限りは『もしかしたら…』が使えるから。


でも久瀬さんはそれをさせなかった。



「…憂お嬢様は今手術を受けております。」


……


気付いていてもやっぱり駄目だ。


そのあと病院に着くまで誰も言葉を発することはなかった。


病院に着いても俺は車から降りることが出来なかった。


車を降りたら嫌でも現実と向き合わなければいけないから。


でも落ち着いたらしいお袋に抱えられるように病院の中に連れられた。


看護士さんに聞いて着いたところは手術室前。


そこには千和さんと蓮さん,優がいた。


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