秘密の教室


静かに席を立つと起こさないようそっとそっと距離を詰めていく。


震える右手で、いつもなら絶対に触れる事のできない185センチの彼のサラサラな黒髪へ手を伸ばす。


天使の輪がと乱れ、ハラハラと指の間から零れ行く。


心地好過ぎる感覚に止められない。


もう一度だけ、もう一度だけ……。


その時、彼の寝息が止まり、急にぱちっと開いた目と目があった。

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