私と彼とその彼女

1

「ゴメ~ン!!」
「おっ!来た来た^^」
「あっ!楓!紅葉は?」
「まだ、だよ^^」
「えっ!?珍しい・・・」
今日は紅葉が遅れてる。
すっごく珍しいことだ。
<ピロリーン>
「あっ。メールだ」
「えっ!だれだれ?」
楓が私の携帯を覗きこんできた。
「えっ?紅葉だよ」
「へー。何って?」
「何かね・・・」
[千春!楓!今日ね急に用事ができちゃって・・・
 だから、遊びに行けなくなったの!ほんとにゴメンね]
「だって~」
「ふ~ん。じゃあ、私達だけで行こっか^^」
「うん!どこ行く?」
「え~っと・・・あっ!新しいケーキ屋ができたんだって」
「そこ行く?」
「うん!」

私達はケーキ屋に行く事になった。
その途中・・・
「ねぇ」
「何?」
楓が急に言った。
「あれって・・・、夏樹君じゃない?」
「えっ?どれどれ?」
「あれだよ。可愛い彼女と歩いてる」
「あ・・・。ホントだ」
私は見てしまった。
夏樹君の彼女を。
一緒に歩いている姿を。
「ちょっ!?千春?」
「えっ?何?」
私は気ずいていなかった。
泣いていることを。
「泣いてるよ?」
「うそ・・・」
頬を触ると少し濡れていた。
「ほんとだ」
「ねぇ。大丈夫?」
「うん。大丈夫。さっ!行こ」
「う、うん・・・」
多分、楓はわかってると思う。
私が大丈夫じゃない事を。
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