私と彼とその彼女

私は後ろを振り向いた。
そこには、
「あっ！夏樹君！」
だった。
うそ～！
ラッキ～！
夏樹君チョーカッコイイ！
たぶん、さっきまで体育だったと思う。
だって、服が体操服だったから。
「何で千春がいるの？」
「えっーと・・・。これを持っていけって先生に言われたから」
「へー」
私は今、きずいた。
この教室には私と夏樹君しかいない事を。
「あ。夏樹君は？」
「あ～。俺は忘れ物を取りに」
「そうなんだ。じゃあ、私、帰るね」
「ちょっと、待って」
「えっ！？」
私が後ろを向くと、夏樹君が私の腕を引っ張り、キスをした。
「ゴメン」
夏樹君は走って行ってしまった。
さっき、私、夏樹君とキスした？
なんで？
しかも、夏樹君から。
でも、絶対、あれはした。
だって、今も私の唇に夏樹君の唇の感覚が残っているから。
この時、私は何が何だか理解できなかった。