私と彼とその彼女
「うわっ!どうしたの!?その、ひどい顔!」
「あ。楓。まぁ、これは昨日いろいろね」
「そっか~」
「千春!どうしたの?」
「紅葉・・・。楓に聞いて」
「あ・・・。うん。でね、ちょっと、千春に言いたい事があるんだけど・・・」
「何?」
「私も聞いていい?」
「うん。楓もOK」
「ありがと」
「で、話って?」
私は紅葉に言った。
「あのね、蓮君から聞いたんだけど・・・。夏樹君、麗香先輩と別れたんだって」
「え・・・」
「嘘でしょ?紅葉、それ本気?」
「うん。多分、楓も隼君に聞いたら分かるよ」
「分かった。今から聞いてくる」
楓は隼の所に行ってしまった。
私はなんとなく分かっていた。
だって、昨日、夏樹君を見つけた時、そばに麗香先輩がいたから。
麗香先輩は泣いていた。
あ~。
別れて話かな~。
って。
「お~い。千春?」
「あ。紅葉。ゴメン」
「うぅん。でね、その別れた理由が・・・」
「理由?」
「うん。夏樹君やっぱり千春の事が好きだったんだって」
「うそ・・・」
「ホントだよ?」
「じゃあ私、昨日、夏樹君に酷い事・・・」
「そうなんだ・・・。じゃあ、千春の気持ち伝えなよ!」
「何、言ってるの?紅葉」
「今日、夏樹君に屋上、来てもらうから伝えよ?」
「う・・・ん」
「千春は、まだ、夏樹君の事が好きなんでしょ?」
「う・・ん」
「じゃあ、言お!」
こうして、伝える事になった。
私の素直な気持ちを。
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