恋 色 模 様
美里の指差した方を見ると、浩哉がいた。…女の子と。
「美里、これって」
「うん。アレですな」
正直あぁ、またか。とため息をつきたくなった。浩哉はモテるのは知ってる。告白されてるところを何度も見てきたしね。
だけどこうして目の当たりにするのはいつも複雑な気持ちになる。タイミングがいいのか悪いのか、よく見てしまうけど。
「ごめんね。急に呼び出して」
「いや、大丈夫だよ」
「…ありがと。やっぱり西原くんは優しいね」
そう言ってはにかむ彼女は私と同じようで違っていた。少し羨ましいな。
「手紙にも書いたんだけど、私…西原くんが好きなの」
「………」