恋 色 模 様
覗きは趣味じゃないけど出るに出れない状況に、私は困っていた。美里はというと…
「おぉ、直球…西原はどう出るかな」
美里はかなり真剣な顔で見ていた。…たぶん無理だよ、という言葉をこらえ浩哉の方を見る。
しばらくして女の子は走っていった。やっぱりね。
「よかったねー羽衣」
「うん…」
そう生返事をして私はあの日のことを思い出していた。
初めて、浩哉を“幼なじみ”とは違う目で見るようになった日―。