恋 色 模 様



あの頃の私は中学生で、恋なんて知らなかった。



周りは何々くんが好きーとかいろいろ言ってたけど、私にはわからずじまいで。



そんな時、たまたま見てしまった。…浩哉が今日みたく、告白されてるところ。



『あの、小西くん…私。小西くんが好きですっ』



真っ赤になってそう言ったあのコを見てびっくりした。なんで浩哉が?



それからどれくらい時間が経ったんだろう。たぶん1分か2分くらいだったんだろうけど、とても長い時間に感じた。



「悪いけど…俺、誰も好きにならないから」



そう言った浩哉の顔は見たことないような悲しそうな顔で。私は胸をぎゅっと締め付けられるような気持ちになった。



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