恋 色 模 様
「まぁまぁ、今日はまだ頑張った方だし許してあげましょ?」
「母さんはまた羽衣(うい)を甘やかして…少しは浩哉くんを見習わせなさい」
優しく諭してくれるお母さんに、ため息をつくお父さん。
「あー!また始まったお父さんの浩哉びいき!!」
「まぁまぁ、美和さんもああ言ってるんだしいいだろ」
「むぅ…」
これが私の家、宮永家の朝の風景だ。優しいお母さんに、私にはちょっと厳しいお父さんやいつも笑いかけてくれる浩哉。
いつもと変わらないこの光景にニヤニヤしていると、お父さんがこう言った。
「時間、大丈夫なのか?」
「「あぁ!!」」
そう言って私達は慌てて外に出るのであった。