恋 色 模 様
「うん、いいよっ」
二つ返事でOKして、二人で校門まで歩く。
「そういえば、宮永先輩この間“夢咲の扉”を気にしてましたよね」
「うん。実は今日も借りられてたんだよね…」
「最近また人気が出だしましたもんね。よければ…はい」
そう言ってはにかむ葉月ちゃんを見ると、手には夢咲の扉があった。
「え、ちょ…いいの?」
「はい。私は読み終わりましたし…是非先輩に読んでほしいんです」
だから、と私の手にそれを握らせる葉月ちゃん。いいコだ…。
「ありがと。帰ったらすぐ読むねっ」
「ふふ、喜んでもらえて嬉しいです」