恋 色 模 様
「このバカが迷惑かけてるみたいで悪いな。よかったらこれからも仲良くしてあげて」
「ちょっ…バカとか酷くない?」
「本当のことだろ」
「ふふ」
私達のやり取りを見て葉月ちゃんはクスクス笑っていた。浩哉とも仲良くなれそうだね。
「さて、そろそろ帰してあげてないと柳瀬さん可哀想だろ」
「あぅ…そうだね」
葉月ちゃんの家の周りは静かな住宅街で外灯が少ない。こんなに可愛いコを遅くに帰らせるわけにはいかない。だけど…
「じゃあ葉月ちゃん、また明日ね…」
少しだけ泣きそうな顔を見せて私は葉月ちゃんの肩を掴む。