恋 色 模 様
キキッと軽い音を立てて自転車が止まり、上から声がした。
「羽衣。着いたぞ」
「んー?…って家?!!」
「…それ以外にどこ行くんだよ」
ほれ降りろ、と言われてゆっくり腰を上げる。うん、スカートは大丈夫。
「おまえまーたどっか飛んでたんだろ」
「ちょ…ちょっと考え事してただけっ。うんっ」
間違ってはいない。浩哉のこと考えてたなんて言えるわけないだろーっ!!
「はいはいわかったわかった…っ」
笑いをこらえながら浩哉は自転車を戻した。…笑いすぎ。
「浩哉、ご飯は?」
「いる。一旦着替えてから行くから美和さんに言っといて」