恋 色 模 様
「ひひひひ浩哉!!急がなきゃぁぁあ?!!」
「大丈夫だよ。ほら乗れ」
急いで自転車の荷台に腰掛け、少し飛ばすぞという浩哉の声を最初に自転車は走り出した。
「今日もいい天気だねぇ」
「…おまえ暢気だな」
「だって浩哉が何とかしてくれるもーん」
「はいはい、努力させていただきますよ」
私が無茶振りしても嫌な顔せずに頷いてくれる浩哉に、あははと小さく笑った。
私達は物心ついたころからずっと一緒にいた。小学校に上がっても中学校に上がっても付かず離れずの距離でここまで来たんだ。
兄弟のように育ってきたから浩哉のことはある程度わかってる…と思う。時々自信ないけど。