恋 色 模 様
目の前にいる幼なじみは相変わらず気持ち良さそうに眠っている。
羽衣は昔からこうだった。人懐っこくて誰にでも付いていきそうなくらい好奇心旺盛で。
そんなこいつには当然危機感なんてなくて。いつも止めるのは俺の役目だった。
だけどいつも笑ってるから一緒にいると嫌なことは忘れられた。羽衣といると幸せだったんだけど…
「さすがにこれはなぁ…羽衣、起きなって」
髪を少しだけ触ってみると、ん…と声を上げ、また眠った。
「参ったなぁ…美和さんに言って起こしてもらおうか」
俺でよかったな、ホント。なんて思いながら立ち上がろうとすると、腕を引っ張られた。