繋いだ手
「ああ。あれナンパって言うんや。」

『ナンパ以外に何があるんよ。』

「キャッチセール?」

『はい?』

「だってちょっと試しにやってもらいたいもんがあるんで、来てもらってもいいですか?ってやつじゃあないん?」

『ちゃうよ!ちゃんと僕ら君と遊びたいんだよって言うてた。』

「それ幻聴や。幻聴。」

『ひどい…グス。心配してくれてたん思ったんに。』

「なんで泣くん?って嘘かい。」

『あはは。』

「嘘。ほんまはめっちゃ心配した。お前アホやしお人好しだから、騙されやすそうやん?スタコラついてかないか心配。」

『そこまでアホやないわ。危険や思たら断るよ。』

「そっか。」


観覧車が真上にきたときあたし達はキスをした。


「お前ちょっとはジェットコースター恐怖症直せよな。」

『無理。それだけは直らんわー。』

「お前なあ。」



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