繋いだ手
『ずっとこっちにいるん?』

「俺だけ。」

『だけ?』

「おとんたち後1年は向こうって言うてた。」

『じゃ向こうにいればよかったやん。』

「残りの高校生活は神田達と過ごしたいって思て。卒業すんのもこっちのがいいって思たから…。」

山本が照れくさそうに言った。

『えっ?あたしのために戻ってきてくれたん?』

あたしは山本をおちょくってみた。

「ちゃう!!!別にお前のためやない!!!みんなと一緒がよかっただけやねん。中学の頃の仲やから。」

『えーちゃうのー。山本顔赤ない?』

「えっ?きょ今日は暑いやん。そのせいやん?」

うせやん。今日暑ないもん。

これは山本なりの照れ隠しなん?


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