『若恋』若恋編




そうは言うが、日に日に元気がなくなり沈みがちで気になる。



「若、りおさんのことですが…」


二日ほどして榊が険しい表情をして現れ、写真を数枚テーブルに置いた。


「これは?」

「りおさんの机です」



どこの学校でも使ってるような代物だ。
ただ、落書きがされてある。



「……これは?」

「昼食時の様子です。見ての通りです」



「……もう一枚は?」

「りおさんの友達と言えるであろう人達です」

「………」

「教室内での様子です」



写真数枚ですべてがわかった。

学校に登校した途端に、クラスの連中がりおを異質なものとして排除しようとしていることを。


机には、
「ヤクザの女出ていけ!」
の落書き。


昼のお弁当は立花樹とふたりきり。
遠巻きにふたりを囲んでいる。


一緒のクラスじゃないのかふたりの女生徒と3人で歩いてるのは笑みが見られた。



歯軋りする。

ぶつけようのない怒りが腹の奥底から沸き上がってくる。


何が学力が追い付かないだ?
何が学校で何かあったろうだ?


< 127 / 475 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop