『若恋』若恋編




「ああ、そうだ」



もう隠せない。
隠さない。

ここにいる榊や、仁、毅たちには隠すことができない。

そして静かに目を開けた。






「俺の、……大事な女なんだ」



「若、」








ざああっ、

木々が揺れる音と風の音が聞こえた。



微動だにしない榊を、仁を、毅を見る。





「俺は……あいつを、りおを、愛してる」







―――愛してる










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