『若恋』若恋編
数日後。
「若、仁さんからの電話で、りおさんが校舎前で襲撃されたそうです!」
親父の元を訪れた俺の携帯に拓也から緊急の電話が入った。
「榊さんが肩と脚を撃たれ重傷!すでに救出に向かったそうです!」
電話の声に目の前が真っ暗になった。
携帯を取り落としそうになり慌てて力をいれ握り直す。
「……りおは?りおは無事か?」
「無事なようですが、詳しいことは」
「………」
「すぐにまた連絡はあると思いますが」
「………」
りおが校舎前で襲撃され、榊がりおを庇って撃たれた。
「……相手は?」
「どうやら龍神会のようです」
龍神会。
どうしても大神組を怒らせたいらしい。
「すぐに屋敷に戻るように伝えろ!俺もすぐに戻る!!」
「はい」
拓也からの電話を切り、親父には挨拶だけで実家を飛び出した。