『若恋』若恋編
「……わたしを置いてってください……」
「バカヤロ、そんなことできるわけねえだろ!」
「……足手纏いになります…」
「丸井、黙っとけ!」
弾を掻い潜り非常階段を降り、龍神会正面へ。
「仁!!!!」
正面で援護する仁に叫ぶ。
バーァァン
乾いた銃声がして。
「ぐはっ」
丸井のうめき声と、
引き千切られる痛みが俺が支えてた丸井の指の下から走った。
「丸井!!!」
丸井の体が仰け反る。
車まであと十メートル!!
―――死ぬな!!!
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